設計料

 設計士にとってリフォームはボランティアに近い。人件費から計算するまともな設計料を請求できないからである。
新築と違い、工事総額の小さいリフォームは、その比で見れば設計料は愕然とする額になりかねない。だからと言って、設計士としての責任を放棄して自らの名をおとしめる訳にもいかないので、現況調査に始まり、逆に新築の何倍もの労力を費やす事も覚悟して、リフォーム額に似合った額しか請求できないのだから、正直ボランティアを覚悟せざるを得ない。
 しかしながら、リフォームこそはリスクを伴い、又、工夫が要されるという点で、設計士への依頼が不可欠だと認識するべきだと声を大にしたい。

 そもそも設計料というものの相場をはなから心得ている人などあまりいない。
設計料の相場は、一般住宅等の場合なら凡そ10%が相場で、設計士や条件の難易によって8〜12%程度の範囲で各人が決めている。 
 高いと思われようが、実際にはこれは精一杯の額であり、下手をすると大変な赤字を重ねる。
下手をしなくても、誠意がなくては勤まらない仕事だけに、厳密に言えば儲けなど常にないとも言える。
・・・施主になり代わって想像し、創造し、無から夢を具体化し、素人相手に存在の無いものを説明し、説明し、
夢見るが故のたわいも無い思いつきや気まぐれも無視をせず、施主がよく熟知して完全に納得するまで何度でも練り直し、
建て上がるまで施主の代理人としてよく対応し、引渡してもまだなお、ある意味他人の生活への責任を生涯担う事になる。 
 契約の時点で、時期遅れての計画変更や設計変更には追加料金が加算される等をよくご理解頂いた上でスタートするものの、
実際には、描き直しや見直しは常なる事で、その為に倍、三倍、又はそれ以上の多大な労力が要されても、それはプロとしての誘導や説明の不備として、追加料金を請求する事は殆ど無い。

 設計料は、工事総額が大きくなればなる程割引し、その時々の事情を加味して、始める前に取り決める。

 設計料がそんなに曖昧なのは、設計士にとって、額がどうであろうと手も気も抜ける訳も無く、 
素人相手なら尚更、労力は、一概に設計規模に応じて決まる訳もなく、労力実費で後請求にする訳にもいかず、
また、現実に存在しないものだけに、労力に似合った額へのご理解は得られ難い。
 言うまでもなく産出す事にこそ苦しみがあり、どれ位の期間があれば考え出せるか設計士本人にも解らない。
当然、考え出す時間分まで請求の計算には入れられない。
 考え出したり、図面やパース、修正、変更とはどれ程の労力かが想像を超える事ならば、設計料というものは社会相場を前提に、依頼人が不満を持たない額で話合うしかない。そうした理由で、設計料は曖昧なのである。 
 私本人は、大きいから大変、小さいから楽という事は決して無い事から、ある程度一律で考えている。
そうした理由で、私の場合は、リフォームは仕事として積極的には取り難いのだが、リフォームだけは安易に考えず、
名前で稼ぐ有名な先生にボランティアをお願いするべきを進言したい。
 
 
 
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