4,ローコスト住宅
   工事単価というのは、建材費 + それぞれの工事に携わる人の人工(延人員=人員数×日数)によって決まる。即ち施工者にとって、在来通りで手馴れた工事、手間のかからない造りである程安くあがるという事を先ず念頭に入れて貰いたい。
 
    家を経済的に建てる為のポイントは...1、建材コストの見直し、2、ローコストな設計技術力、 3、施工上の工夫の三点があげられるが、何れも設計技術に集約される。適切な値で家を取得したい場合は、ローコスト設計技術を心得る設計士に依頼する事が一番良い。が、一番困るのは、「何しろできるだけ安く」と総予算を明かしてくれない事である。設計士は、先ず予算を聞いた上で全体的なコストバランスを考えながら、設計をするので、犬小屋程度をのぞむのでない限り、純粋なる希望と予算額を告げる必要がある。つまり、窓一つ、ドア一つ、押し入れ一つ増やすだけでもコストは違うし、建物の形態、工法、屋根の形状、勾配に至るまでデザインの全てに関してもコストは異なってくる。だから、設計士は、施主がどの程度の暮らしを標準と考え、何に拘り、憧れ、どんな物、事を気にしないのかを知る必要がある。基本プランを提示された場合にも、そのプランのどういうところが気に入り、或いは気になるかだけは、はっきり意思表示をする必要がある。 
 
 
 
    安いだろうと素人判断した理由から、デザインの希望をする人が多いが、素直に好き嫌いだけを言って貰えないと話は一々とややこしい。具体例をあげれば、一見窓枠の無いはめ殺しウィンドーを指して、どうしてもこうして欲しいと言った人もいたし、鉄骨螺旋階段を屋内に配する事に拘った人もいた。どこかで見かけた特売の輸入放出品であるシャワーユニットを是非探して使って欲しいと言われた事もあるし、仕切壁が全く無い大空間が希望だと言われた時もある。何れも理由を問いただしてみると、単に安いと判断しただけだった。そしてそれらの判断はすべて間違いである。認識してもらいたいのは、約束の予算を超えない努力をするのが設計士であり、工事総額が大きい程儲かる施工者とは立場を異にしている。むしろ、素人である施主の立場を守り、通訳をし、代弁し、施工者と施主のわだかまりのない関係を取り計らうのが設計士の役割で、つまり、設計士とは施主の味方なのである。本音を隠して騙されまいとばかりに聞きかじりの知識で、設計士をコントロールしようとするのは得策ではない。具体的な希望に関しては、一つ一つ予算上それが無理がないかを打診して、無理があっても希望する場合には、こだわらない部分で調整して貰えば良い。予算を無視する設計士はプロではないが、素人である施主がコストに捕らわれてしまっては、本当に希望する生活を見失う事を知って欲しい。
 
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