ダメ設計士?
 設計依頼をする時に、その設計士をどこまで信頼して良いものか誰だって戸惑いがある。先ず選び方としては、絶対的条件として、気が合うと思える人を選ぶ事です。素人には考え及ばぬあらゆる点から計画を検証する設計士の現実的な応えに夢を壊されてしまう気のする場合もあるかもしれないが、その辺は冷静なご理解を願うとして、それでも根本的に、ことごとくピントが外されてしまう気がする場合には、お互いのため早々にお断りするべきでしょう。
 同業者として語り辛くはあるが、ご参考に、プロだから見抜けるダメ設計士というものを掲げておこう。
 ズレた設計士は事実多い。或いは設計士づもりの素人が設計士を語っている場合も多い。それがこの業界の現状なのです。ズレるとは、例えば施主が予算は三千万程でというのに対して五、六千万にも及ぶ設計をしてしまう人の事。コストに囚われては設計はできないと予算を度外視する人もあるが、借金を負うのが己ではないが故の無責任な発言だ。責任感の無い人はプロの設計士ではない。ズレる人とは、例えば施主がサザエさんの様な家が望みだと言うのに、前衛的なデザインを押し付けて、芸術センスが理解できないのは無知なるが如くに言い放って、自分の設計を無理強いしたがる人の事。こういう人に頼んだ場合、随所に住まい手、使い手を無視した独り善がりな自己満足が盛り込まれる事になる。施主は生涯無駄な浪費のツケを負わされる。私が常に肝に命じている事は、`プランは施主のものである´という事だ。当たり前の事ながら、常に素人相手にプロの見識を理解して貰わなければならないという骨折りから、ついこの鉄則をを忘れたくなりがちなのが本音なのだ。が、これを忘れた独走プランは、施主にとっては傑作とはなり得ない。
 調子よく、施主の望むまま、喜ばせてばかりの人にも用心しよう。専門家としての判断を持たない人のプランで希望をかなえてもらうのは、実は大変に危険で、後の祭りの後悔を招くだろう。
 設計ではなく、最新設備ばかりで気を惹こうとする設計士にも私は首を傾げる。本当に良い建物の造りとは、実は目に見えない部分で決まる事を知って欲しい。目先の小奇麗さや最新設備にコストを費やせば施主の満足を得やすい事実は言うまでもないが、実は見えない部分、即ち壁の中、床下、地震、気流等に対する配慮にこそ可能な限りのコストをかける事をお勧めしている。基本的に私が勧めるのは、人工的な冷暖房は最小限の助力として考えれば良い、最も自然で健康的な住環境である。最新設備ならば時代に応じて生活に加えれば良いものであるが、家造りの基本的な工法部分というものは、建て直す覚悟がなければ後年になっては得られない。それをよくよく認識してもらいたい。
 では、どんな設計士を選ぶべきか...プランに入る前の過程で`無´という無限の夢の状態の中から、じっくりと真の希望を導き出し、現実的未来を構築しようとする人間―それが設計士のあるべき態度だと私は心得る。
 
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