家って何？
　「家って何？」この問いにあなたなら何と答えるだろうか。単なる箱、プライベートスペースの確保だとするならあまりにも悲しい。住環境が人に与える影響は大きい。
    家とは、｀精神を育む殻´である。家族としての体裁だけを整えるがごとくに箱だけが求められ、そこに住まう自分たち自身、家族の在り方を見失ってはいないだろうか？豊かな筈の日本の社会生活は、虚しく、淋しく、会話の術のない子供らは信頼できる者もなく方角を失ってはいないだろうか？何故子供たちはそんなに刹那的な人生観で生きているのか．．我々は体裁をつくろった箱の中でバラバラに崩壊していないだろうか？最早そのヒズミを隠しおおせない。家族が家族で在れる家、そこから出直す時だと思う。
　そこは誰にとっても帰る場所であり、出発点であり、人はそこで家族と憩い、安らぎ、明日へ向かう精気を取り戻す．．当たり前の事を忘れてしまって、部屋数だけを求めて一生涯の借金を背負うのは虚しすぎる。家とは、そこに住む人に如何様なる影響をも与える事を知って欲しい。そこに住まう人々によってその空間は生まれ、その空間によってその人々の存在がある。即ち、家と人、家族と家は一対で一体である事を認識すれば、その空間に意図的な設計の必然性を理解して貰えよう。
 

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